工業製品製造のお仕事

「支えてくれる人々」
への感謝を胸に
鋼材のスペシャリストへ
  • 特定技能・鋼材加工/管理
    T. V. ソン さん

    31歳・ベトナムから2015年に来日・日本語能力試験N1

  • 石川県白山市
    株式会社 金太

    鋼材の販売、金属加工機械・工具・機器の販売、鉄鋼材の加工、機械器具設置工事の設計施工、建築工事・鋼構造物工事・建具工事・土木工事の設計施工等

  • ソンさんは2015年に技能実習生として来日し、特定技能1号を経て、石川県の工業製品製造業分野で最も早く特定技能2号に移行を果たした一人です。
    また、来日当初より日本語能力にも意欲的に取り組み、日本語能力試験1級に2度合格。
    自ら目標を設定しながら、金太様や周囲の人々への感謝の気持ちを忘れず、目標達成に向け日々努力を重ね、進化を続けています。

    インタビューは日本語で行い、ソンさんご本人による回答をそのまま掲載しています(ソンさんご本人著)
現在、どんな 仕事 をしていますか実習生・特定技能の指導等、簡単にでいいので教えてください。
現在、鉄工所で機械を使って鋼材を切断する仕事に従事しています。また、クレーン作業も行っています。その他、会社内で働いているベトナム人の安全会議や仕事、日常生活などの通訳・翻訳サポートも行っています。
今の仕事の「やりがい」を教えてください。どんなところにやりがいを感じるかも併せて教えてください。
現在の仕事のやりがいは、機械を使って鋼材を切断し、完成した製品が実際に使用されるところを見られることです。自分の手で作業したものが、他の人々の生活や仕事に役立っていると実感できる瞬間にやりがいを感じます。
これまで仕事で難しいと感じたり、対応に困ったりしたことはありますか? その際、どうやって対応したか教えてください。
はい、ありました。日本に来たばかりの頃は、仕事で同僚とトラブルがあったり、言葉の壁によって意思疎通がうまくいかなかったりして困ったことがあります。その際には、片言の日本語で上司に報告し、間に入ってもらうことで解決しました。
「金太様で働いていて良かった!」と感じるときはどんな時でしょうか? 教えてください。
私は約10年株式会社金太で働いています。私は技能実習生から正社員へとステップアップし、金太で働けることは本当に幸運だと感じています。
特にその中で私が会社に感謝し、幸運に思っている出来事があります。それは、私と妻が子供を授かりたいと考えていた時のことです。その当時、私たち夫妻はどちらも特定技能1号の在留資格で、長期滞在資格がありませんでした。そのため、子供が生まれた後に妻が育児休業を習得できるかどうかが不安でした。そのとき、私は会社にいる所長さんにこの不安について相談しました。すると、会社の担当者と何名かの役職者の方が、わざわざ妻の会社まで訪ねて行き、妻の育児休業について話し合い、最終的に妻の会社に同意していただけることになりました。外国人に対して、ここまで親身になって助けてくれる会社は、なかなかないと思います。これが、約10 年間の勤務の中で、私にとって最も印象的で忘れられ無い出来事です。 金太は、会社内で働いているベトナム人にとって家族みたいな存在です。
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N1に2回合格していらっしゃるとのことですが、日本入国後、日本語はどうやって勉強してきましたか? 教えてください。
日本に入国してから、まずは自分の目標を立てました。下のこういう簡単な目標です。

H:毎日、毎日一刻たりとも、勉強する事を疎かにしてはいけない
O:日本に滞在している間、必ず自分の目的を達成できるように、頑張り抜く
A:日本語検定の1級に合格する事
Y:タバコを辞める事
E:彼女と結婚する事
U:為せば成る 成さねばならぬ何事も

次に、自分が日本語の勉強に意欲を持てるような工夫をしました。
毎日必ず30分ほど勉強することを習慣にし、勉強に慣れてきたら少しずつ時間を増やしていきました。そうするうちに、自然と日本語に興味を持つようになりました。
週末には、自分が住んでいる地域にある日本語ボランティアセンターに参加し、さまざまな活動に取り組みながら会話力や語彙力を身につけました。間違えても気にせず、できるだけ日本語で話すように心がけ、テレビやラジオなどを聞いて聴解力も鍛えました。大勢の人の前に、日本語で話す練習も必要だと思い、それで日本語スピーチテストに参加したり様々なセミナーに参加したりしました。
こうして毎日積み重ねることで、確実に日本語が上達しました。
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特定技能2号になるための勉強はどのようにしていましたか? ビジキャリ試験と評価試験それぞれの勉強時間や勉強方法を教えてください。
特定技能2号になるための勉強は、まずビジキャリ検定は二つの教科書(生産管理オペレーション3級と生産管理3級)を用意します。生産管理オペレーション3級勉強してから生産管理3級を勉強するという順番にします。
勉強する時間ですが、ビジキャリ検定は、ほぼ毎日2時間をかけて(週末も含む)一か月2週間ぐらいかかりました。
勉強する方法は、本を2回通して読んで、すべてを覚える必要はありません。その後、過去の試験問題を解いて、間違えたところがあれば本を開いてその部分の知識を確認し、しっかり復習します。模擬試験を解いては、間違えた部分や覚えていない部分を本で確認し、復習する。これを繰り返します。
評価試験は、その時、資料やテキストがなかったのでほぼ勉強しませんでした。今までの経験や知識で試験をチャレンジしました。
日本語試験や特定技能2号評価試験とビジキャリ試験の勉強において、分からないことがあった場合、どのように対応していましたか? 教えてください。
勉強していてわからないことがあれば、主にYouTubeやGoogleで知識を探します。
それでも見つからなければ、会社で上長なりや先輩方に聞いてみるなりしました。
特定技能2号資格を目指した理由を教えてください。
私には3つの主な理由があります。
1つ目は、家族と日本に長く住みたいからです。
2つ目は、より安定した収入を得て、長期ビザがあれば将来の計画が立てやすくなるからです。
3つ目は、子供たちに文明的で進んだ国で学ばせたいからです。
実習生として入国してからこれまで、モチベーション(やる気)を維持できた理由を教えてください。
私は実習生として日本に来てから、いくつかの理由でモチベーションを維持することができました。
まず一つ目は、「目標を持っていたこと」です。日本での経験を通して技術や知識を身につけ、将来は母国で自分のスキルを活かした仕事をしたいと強く思っていました。この目標があったことで、つらいことがあっても前向きに頑張ることができました。
次に、「支えてくれる人々の存在」です。職場の先輩や同僚はいつも親身にアドバイスをくださり、そのおかげで安心して働くことができました。また、同じ実習生仲間と励まし合いながら過ごせたことも大きな支えになりました。
最後に、「小さな成長を感じること」です。最初は日本語の会話や仕事のやり方に苦労しましたが、少しずつできることが増えていくと自信につながり、「もっと頑張ろう」と思えるようになりました。
これらの理由があったおかげで、モチベーションを維持しながら日々努力を続けることができたのだと思います。
今後の目標を教えてください。
将来の目標は次 の 3つです 。
1つ目は、日本とベトナムの両方に家を持つことです。
2つ目は、仕事でさらに高い地位に昇進できるよう努力することです。
3つ目は、新しい分野や新しい言語を学ぶことです。
今、技能実習をしている外国人に向けてアドバイスがあれば教えてください。
日本に来たばかりの頃や実習中の間は、自分に2、3つの目標を立てると良いでしょう。目標を立てることで、自分自身が努力し、頑張るきっかけになります。 もし機会があれば、住んでいる街のイベントや活動に参加すると良いでしょう。交流を深めることで、異国での生活の寂しさが和らぎ、仕事への意欲も高まると思っています。
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息抜きする方法(リラックスする方法)を教えてください。
自分の場合は、大体、車を走らせて海へ行き、コーヒーを飲むか、友達を誘ってキャンプに行きます。私は自然の中、渓流や森でのキャンプが好きです。これも趣味の一つです。
日本の良いところ、好きだと思うところを教えてください
日本の良いところと言ったらたくさんがありますが、例えば:
治安の良さや清潔な環境は、住みやすさに直結していて、日本ならではの素晴らしい点だと思います。又、公共交通機関が発達していて、時間に正確なところも便利ですよね。医療制度や教育の質の高さも、子育ての面ではとても心強いポイントだと思います。特に住みやすいというところが一番好きかなとは思っています。
受入企業さまより
(チャンソン君へ)
常に前向きな姿勢で努力家なチャンソン君、一つ一つ目標を達成して夢に向かっている姿は、見ている私が勇気づけられます。今後は社員として、リーダーとして、外国人の枠を超えての活躍を期待しています。
(これから日本に来る外国人の皆さんへ)
初めて日本で働く皆さんは苦労する事も多いと思います。
だからそ、今頑張りましょう。努力は裏切りませんよ。しっかり働き、たくさん遊ぶ。やっぱり楽しい方がいいよね!
当組合担当者より
彼は、日本に残って働くためにN1合格を目指していて、何度も挑戦を続け合格を勝ち取り、その後は、特定技能2号の試験に挑戦し、何事に対しても一生懸命に頑張っている人材です。
諦めず、色々なことにチャレンジをする姿勢は日本人の私から見ても本当に感心させられるものです。
定期的に現場に訪問した際には、外国人材のリーダーとして、いつもみんなを引っ張っている存在で、後輩からもとても慕われている人材です。
実習生、特定技能1号の時代から通訳いらずで、日本語の会話もでき、彼は本当に優秀な外国人材です。
これからも初心の心を忘れずに、諦めず、色々なことにチャレンジをする姿勢で目標を達成してほしいです。